人気ブログランキング | 話題のタグを見る

VASS2足目

2008/3/10(月) 午後 3:14にヤフーブログに投稿したものを再掲。

VASS2足目_b0107403_2224592.jpg


ハンガリーはブダペストの名靴『VASS』でサイズオーダーした2足目

これは日本の百貨店・伊勢丹が仕掛人となって、フィレンツェの靴職人ウゴリーニさんがラストをデザイン、実際につくるのはハンガリー手作り靴の雄VASSという3カ国合作です

ウゴリーニのイタリア調のグラマラスなデザインと
東欧の質実剛健、手間暇を懸けることの権化の如きVASSがコラボ
一体どうなるのでしょう

実はこの初代モデルをブダペストで発見し、数年前に購入していました
まあ、あきれる程のいい既製靴でした
まず革がビスポークものと同じような材質
おそらく今は無きドイツ名店のボックスカーフでしょう
不思議なのですが、靴磨きの時、この革のみクリームが殆ど必要ありません
軽くブラシをかけるだけで、鏡のようにピッカピカになるのです

そして所謂十分仕立て、土踏まずの絞り込み、踵の丸み、ライナーの贅沢な仕様、フルブローグの切り返しの処理、全てが非常に丁寧で、これでもかと手間が掛かっています
それでいてお値段は日本で同レヴェルの既製靴(英、伊)を買う値段の1/3以下!
という超弩級靴

木型も私に合うことがわかったので
今回は前回訪問時に懇意になった親方の娘さんのEVAさんに連絡を取り
サイズオーダーすることにしました


ラストは新型のFモデル

63 Italian-Oxford model,
F last, welted, 6125 dark cognac boxcalf,
Italian polish, single sole

というものをオーダーしました

それで受け取ってきたものが写真の靴です
(相当すでに履きこんでいます)

マジャール語がペラペラの現地在住後輩と一緒にお店に伺うと
EVAさんがおらず、お店のお姉さんは「そんなの知らないわよ」状態
(こっちではよくある、よくある・・・)

困って、抗議しますと、EVAさんに携帯電話で繋いでくれます
英語とドイツ語で何月何日にオーダーしたこと
ちゃんと返事も頂いていることを伝えると
お店のお姉ちゃんとマジャール語でやりとり
後輩が「2階を探してみるわ、って言ってる」とこっそり通訳してくれます

こういうことがよくあるので
オーダするときは多少外国語のやり取りに慣れておいたほうがよいでしょう
鉄則、こちらに落ち度のないことで絶対に引き下がってはいけません

そうするとちゃんと出てきました

フィッティングするとぴたりとあいます
褒めちぎると、お姉さんも打ち解けてきます
その後は和やかに靴を見せてもらったり、新しいカタログを貰ったり
お店のお姐さん達は英語が苦手のようで
ドイツ語に切り替えると途端にフレンドリーになってくれました

僕の語学力も、相当怪しい、いい加減なもので
単語や文法は多分英語のほうが知っています
でも、慣れていてひねくりだせるのはドイツ語という面倒くさいことになっています
よく旅行する中欧、東欧では都合がいいのはドイツ語です

さて、靴を気に入り
シューツリーも付けてもらい
ウィーンの街歩きで軽く初おろしをしました
帰国時にはウィーンの空港で税金も帰ってきました
日本で同じものを買う半額くらいでしょうか

とんでもないコストパフォーマンスと思います
ただ、革は以前程のものではないようです
これはもうしょうがないことでしょう
どのお店でもそうです
以前からあるのを使っていって、使い切ったら、おしまい
次からは代わりの素材になります

それでも、この辺りの国も凄い勢いで経済成長を続けており
割安感はどんどん減っています
私のこの東欧遊びも、あと数年したらもおう過去の夢の話になってしまうのでしょう
by francesco-leica | 2010-09-20 22:25 | 服飾雑記・靴


<< マフテイ修理 マフテイ6足目 >>