生演奏とお話で巡る「フルート300年の旅」

私の本務校、千葉県松戸市にある聖徳大学オープンアカデミーで、3回シリーズの「生演奏とお話で巡る 『フルート300年の旅』」というのをやらせて頂きます!
ピアノは同級生の名手、村田千佳さんです。

5/16、5/30、6/27(金) 10:45~12:10 受講料4,650円(これで3回分のお値段です、演奏会3回と考えるとかなりお買い得!)
みなさまのお越しをお待ち申し上げております。

第1回 バロック時代、王侯貴族に愛されたフルート。宮廷で奏でられたフルートソナタたち。
第2回 モーツァルトはフルートがお嫌い?残された手紙から読み解く、恋の旅路とフルート。
第3回 近代フランス、フルートの黄金時代、そして現代 近代フランスはフルートの音と共に幕開く。現代奏法、あんなことやこんなことまで大公開!

SOA平成26年度第1期(4~7月)公開講座
SOA音楽研究センター共催講座
S-3「生演奏とお話で巡る「フルート300年の旅」」

*申込受付 会員2/24(月)より、一般2/27(木)より
⇒聖徳大学生涯学習課 Tel. 047-365-3601(直通)
*すべての講座のご案内はこちらから。
http://www.seitoku.jp/soa/koukai/
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# by francesco-leica | 2014-03-20 16:52 | 演奏会案内 | Comments(0)

台湾旅行記

去年の9月ですが、台湾に出張してきました。
台湾国立交響楽団(NSO、フィルハーモニア台湾)の練習、会場、運営などについての視察、現地の日本人奏者との懇談(含む宴会)をしてきました。
初めての台湾訪問、しかし、親日国としての心温まるニュースや、父が台湾(台中)で何度も工場の技術指導をしてきたこと、さらに祖先の一人が台湾に随分と縁がある(台北州立宜蘭農林学校(現、国立宜蘭大学)教諭、台北州立基隆中学校教諭、高雄州立屏東(現、国立屏東科技大学) 農業学校長でした)ことからも行ってみたいなあ、とずっと思っていました。

素晴らしい楽しい、刺激的な、そして落ち着きの時間でした。
とても外国とは思えない・・・馴染みのよさ。やはりだてに50年の間、日本だったわけではないですね。
人々は素朴で公共心があり、親切で、私が日本人とわかるとあれこれ話しかけてきて(片言の日本語で)くれました。ひとりでご飯を食べていると1度ならず2度も地元マダムに御馳走してもらっちゃいました(モテモテ?笑)。

なんだか日本の地方都市にもありそうな風景??
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若いオケも、元気で、大いなる将来の可能性を感じるいいものでした。日本人の奏者たちも大活躍で、彼らの支えなくして台湾の音楽界は成り立たないでしょう。

非常に大きな本拠地の演奏会場は響きにクセがあり、なかなかバランスが大変そうでしたが、国家の威信をかけて建築した、という感じが濃厚にわかる立派な建物です。
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事務所の見学や、契約や勤務形態、オーディションについての貴重なリサーチもでき、楽員控え室で「鼎泰豊本店」のお持ち帰り小籠包を盛大に食う!という贅沢かつ貴重な体験までさせてもらえました。多謝!
たまたま前の週に私も演奏したアルペン交響曲を取り上げていたので、練習の見学も興味深かったです。

ホテルはけっこう新しい、君品酒店。なかなか話題の人気ホテルのようです(ANAのサイトでお勧めだったのでよくわからず取ったのだが)。台北駅の上のたいへんに便利な立地にあります。とても感じよく、快適な滞在でした。夜は部屋がやたらにムーディーで薄暗く(好きなんだなあ、こういうの!)、風呂場など、なぜかガラス張りで室内から丸見え、という、一人で泊ってるのがバカらしくなるような設えで大変結構であります。
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台湾といえば日本人の口にも合い易い街中グルメ!しかも安い。
水餃子の有名店、ここでマダム達に話しかけられ御馳走してもらいました。しかも最終的に会話がドイツ語になった(オーストリア通商代表部の仕事をしているマダムだった)。
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街中の小皿料理屋。ここもうまかったなあ。
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古くからの大事な笛吹き仲間、NSO副首席で活躍中、宮崎さんのお勧め牛肉麺のお店。ピリ辛です。
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おなじくお勧めのお洒落なアフタヌーンティー屋さん。静かでお洒落で、ここどこ?っていう雰囲気の良さでした。
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とどめはもちろん、初体験、超痛ギモの足つぼマッサージ!さすが本場、素晴らしかった。
私は痛みには強いほうで、もっとやってえ〜〜〜、という倒錯した世界を垣間みてきました(笑)。
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というわけで2泊3日の駆け足旅行でしたが、これからも仕事でなくてもぜひとも訪れたい国になりました。なにより近いし。台中や、航空隊で有名な台南、少数民族の東部も行ってみたい。温泉も行ってみたいですね!
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# by francesco-leica | 2014-03-07 00:15 | アジア旅行記 | Comments(0)

フルートとピアノの夕べ

新しい教会での演奏会に出させて頂きます。
名手、雁部一浩先生と久しぶりの共演です。

フルートとピアノの夕べ
代官山教会新会堂音楽ホール オープニング奉献演奏会
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北川森央(フルート) 雁部一浩(ピアノ)

J.S. バッハ コラール
F. シューベルト アルペジョーネ・ソナタ
F. ショパン ノクターンとワルツ
R. シューマン アラベスク
雁部一浩 フルートとピアノの為のソナチネ

2014年3月8日(土)17時半開場、18時開演
代官山教会 渋谷区代官山町14-3 
全自由席 4000円

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会場が小さく、限られた数のお客様しかお迎えできないのですが、よい演奏会にしたいと思っております。
みなさまのお越しをお待ちしております。
チケットご入用の方は非公開メッセージをお残し下さい。取り置きをさせて頂きます。
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# by francesco-leica | 2014-02-22 23:27 | 演奏会案内 | Comments(0)

小林道夫アカデミーin東京2014

小林道夫アカデミーin東京2014

世界的な鍵盤楽器奏者であり音楽学者、小林道夫先生の公開レッスンを、以下の予定で行います。

会場:ムラマツフルート新宿店2階ムラマツホール
丸の内線西新宿駅すぐ

160-0023
東京都新宿区西新宿8-11-1 日東星野ビル 2F ムラマツホール
TEL : 03-3367-6000

聴講:
一日1000円にて、どなたでも聴講して頂くことができます。
みなさまのお越しをお待ちしております。

2月21日(金)
1030 ファゴット ウェーバー/ファゴット協奏曲 伴奏者同伴
1120 フルート C. P. E. バッハ/無伴奏フルート・ソナタ 
1210 フルート バッハ/フルート・ソナタe-Moll BWV1034 先生による伴奏
〜休憩〜
1400 チェンバロ バッハ/平均律クラヴィーア曲集第2巻より プレリュードとフーガ第5番 D-Dur、シンフォニア第7番 e-Moll
1450 ヴァイオリン モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタe-Moll KV304 先生による伴奏
1540 ピアノ/ソプラノ R. シュトラウス/万霊節 シューベルト/ミニヨンの歌(このままの姿でいさせてください)H-Dur 
1630 ソプラノ/ピアノ モーツァルト/すみれ シューベルト/Im Frühling
1730 フルート バッハ/フルート・ソナタA-Dur BWV1032(ベーレンライター版) 先生による伴奏

2月22日(土)
1300 ソプラノ R. シュトラウス/チェチーリエ 伴奏による同伴
1350 ソプラノ モーツァルト/すみれ 先生による伴奏
1440 ソプラノ モーツァルト/クローエに (時間があれば)バッハ/BWV106 2.d Es ist der alte Bundのソプラノソロ部分 先生による伴奏
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# by francesco-leica | 2014-02-14 11:49 | 演奏会案内 | Comments(0)

パリ滞在記

12月28日の早朝、ウィーンからパリへ。
久しぶりにランドシュトラッセからCATにのる。うっかりしていたのは
CATでチェックインできるのはオーストリア航空と共同運行便だけだった。今回のパリ行きはエアフラだったので、
せっかくひいひい、思い荷物を持ってきたのに、チェックインできず。これなら安いSバーンで行けばよかったよ。

パリではAFバスでエトワールへ。
今回は初めてのホテル、スプレンディドホテル・パリ・エトワール。キレイないいホテルでした。
なにしろ、ベラボウに交通の便がいい。
AFバスをおりて、道を渡ったところです。
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お昼ご飯にはオペラ近くの「こってりラーメン・なりたけ」へ。
おそらくヨーロッパ随一の日本と同じレヴェルでやっているギトギト系トンコツラーメン。
以前、味噌トンコツをデフォで頼んだら、あまりの濃さ、しょっぱさに沈没した経験を生かし、
醤油トンコツのあっさりにしましたら、おいしい!ラーメンなら、ここだな。しかも日本食としては破格に安いです。
ホテルでちょっと昼寝のあと、
夕方、サン・ラザール駅のすぐそばのエウロパ駅まで地下鉄をおり、楽譜屋さん、楽器屋さん街をちょっとあるくと、美しいディスプレイの彼の新しいお店がありました。
このあと何十回通うかわからないが、記念すべき初訪問です。

清潔な仕事場。お手伝いの若いかたも入られました。
棚には涎の出そうなイギリス調の生地がわんさか置かれています。
お土産にもってきた、彼のことを書いた新刊「夢を叶える」をお渡しする。最初の運び屋になれて光栄。
珈琲を飲みながら再会を喜び、近況を話し合う。そして、受け取る予定の2着を出して頂きました。
ゴツゴツの本物のツイードの薄い青に茶の大きな格子柄ジャケット。
薄くてぱりぱりのキッドモヘアの濃紺。
対照的な2着です。

まず、キッドモヘアは完・璧。大人の余裕、男っぽさ、真面目さ、色気、色々なものが表現できる服。
ツイードの方だけ、生地の重さ、硬さのせいか、同じ型紙、同じ作り方でも少し感じが違うのか、これだけちょっと修正ありです。
左の首の後ろがちょっと抜ける。これは生地を馴染ませていくことで合意。

そのあと、健次郎さんと讃岐うどん屋さんでディナーです。
オペラの近くは本当に日本食が多い。これはウィーンからみたらうらやましいなあ。お金だけだせば、日本さびしくないですね。
健次郎さんと服の話をしながら、メトロで帰る。

二日目。
朝、暗い。暗い中起きて、ダイニングでクロワッサンを食べる。
この日も夕方に健次郎さんのところで昨日の修正点を直したジャケットを受け取り、僕らの大好きなモロッコ料理の超名店で飯を食う予定。
パリを楽しく、歩き回りました。
午前の終わり、念願のオルセー美術館へ。けっこう並びました!
ミレーが見たかった。
以前、東京の西洋美術館のオルセー展でみたものも多く、再会を喜びました。

お昼は、サン・ジェルマンの有名なムール貝屋さん「レオン・ド・ブリュッセル」へ。
濃いおいしいベルギービールとバケツ一杯のムール貝、完食しました。
また散歩しながら帰宅。

また健次郎さんアトリエでスーツとジャケットをまとめてうけとり、そのままモロッコ料理のTimgadへ。
ここは3度目の訪問ですが、ほんとうにうまい。こんなにうまいんだ、という驚きのうまさで、
肉と野菜の味を噛み締めます。
クスクスの「地」もサラサラのフワフワです。
心から満足。また来たい、ここも心からそう思います。
お店のホスピタリティも、素晴らしい。おもてなしは日本の専売特許ではありません。
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三日目はお散歩日。
食料品を仕入れたり、夜はステーキの専門店で。
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そのあと、夜のセーヌ沿いを歩く。好きだな。この街の風は。
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翌朝の大晦日の朝はやく、AFバスでシャルル・ド・ゴールへ。
さあ、これでパリ編終了。
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# by francesco-leica | 2014-01-31 21:31 | ヨーロッパその他特集 | Comments(0)

マフテイ10足目

ウィーンではMAFTEIへ。
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凄腕職人の息子さんルシアンさんと奥さんが待っていてくれた。オヤジは今日お休みなんだ。と。
普段はルシアンさんは御自分の支店をポストガッセに持っていて、このキューンプラッツにはいないのだけれど、ヘルプだろうか。
このルシアンさんはあちこちで修行していて(ロンドンでも。確かロブ・ロンドンで、とオヤジさん言っていたような)、完璧な英国英語を話す、
素晴らしいセンスの職人さん。「真のウィーン人30人」という本でも取り上げられた人。
このルシアンさんと、奥さんとの1時間ほどの交流の濃さといったら!!
まず入るなり「アルニスですね!素晴らしい・・・。靴の茶色とあっています(今回はチャーチのぽってりしたチョコ色のライダーを履いていた)」
「アルニスが無くなったのはご存知ですか、とても残念だ」なんだなんだ情報通か・・・。
そして、靴を受け取り、次の注文を時間の楽しいこと、楽しいこと!
どんな服地には、この革、この色にはこの色、いや、春の風のなかを歩くにはこの革がぴったりです。
あなたは今日のようなカシミアの(よく見ただけでわかるな)セーターはよく着ますか?ならこの色で・・・。
ガルーシャは、「あなたには似合いません」とも(これはこれでうれしかったな、僕も嫌いなので)。
象革はものすごくリコメンドされました。
地球の一部の気持ちになれる靴。とも。
次次回はこれでいくかも知れませんが、今回は明るいアンティークフィニッシュ(「私が自分でパティーヌします」と)の茶色による、
センターシーム(「オリジナルは父も働いていたルドルフ・シェアですが、うちのいちの得意モデルです」と)、アルニスと共に旅に履いていく靴、
というコンセプトで、ハーフラバーソールにしました。
あとは象革のベルト。

楽しみで、楽しみで。

それにして、ウィーンでこんな英語で喋ると思わなったので、冷や汗が出たよ。もっと英語も勉強しないと。
そして、なんと、ルシアンさんの奥さんはウィーンのアカデミーで勉強した歌手でした!!
音楽の話で盛り上がりました。素敵な方でした。うれしい!
私、靴のことはなんにもわからないの、と。

マフテイ、ルーマニアに工房をできて、ニューヨークでオーダー会が成功して、次はパリでやりたいとも。
いまからパリのテーラーで受け取ってくるんだ、といったら目を輝かせて「チフォネッリ?カンプス・ルカ?」と。
本当に詳しいですね、ルシアンさん、スマルトでヘッドカッターをやっていた若い日本人だよ、というと、噂には聴いたことがあるようでした。
その彼にも我々の靴を見せてきてください。と。

今回の完成品、記念すべきマフテイ10足目。素晴らしい出来だった。
オヤジさんがドヤ顔で「世界で私しかできない」と豪語する美しいノルヴェージャン製法のモデル・アレクサンドル。
ジョンロブ・ロンドンも、ノルヴィージャンの依頼は全部親方に頼むようです。以前オーダーシートや木型を見せてもらいました(ブログには写真、載せるなよと言われて)。

ステッチも本当に美しいです。そして意外に返りがいい。
以前はくるぶし周りが硬くて、いつもトンカチでドンドンしてもらってから履くのですが、それも必要なかった。
オヤジさん、乗りに乗ってます。
それでも、実に実に、グットプライスです。
絶対に、日本の靴好きにもおすすめしたい。
最初はオヤジさんの自分の名前をつけている外バネのモデル、アレクサンドルを勧めたいな。
エレガントでほかにも合わせやすい、いいデザインです。
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# by francesco-leica | 2014-01-11 01:38 | 服飾雑記・靴 | Comments(2)

年末旅行ウィーン編

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ウィーンには夜遅くついた。街はかわらず。
この夜遅く着くってのは久しぶりな感覚。
普段はオーストリア航空でも、ルフトハンザでも、あるいはANAの羽田深夜便でも、もっと早く着くので、街を一回りして軽く飯を食う余裕があるのだけれど、
今回のように9時とか10時とかに着くと、こちらも時差ボケで疲れているし、ちょっと損した気分かもしれない。
常宿のカイザリン・エリザベトには東洋系の新しいスタッフが入っていた。これも時代の流れだろうか。
他のスタッフとは相変わらず、前回は両親を連れて行ったので元気か、と気遣ってくれる。
朝食のフロイラインは、飲み物を注文するとき「あなたはもう『いつもの』でいいのよ!」と笑っていってくれる。
ここは、世界にもう一つある、僕の家なんだと改めてうれしく思った。

ところで、かなり寒いかと覚悟していったのだけれど、全然寒くなくて、むしろ、ヌルい。
10℃を上回ることはないから、温かいわけではないけれど、
今回は上着をアルニスの赤い裏地のものにして、それが結構温かいので、日中はコート(バブアのトレンチ)を置いて出るくらいだった。

あと、今回は久しぶりにライカM6にズミルクス35mmf1.4を持って来た。ライカでウィーンを撮るなんて久しぶりで気持ちが高まった。
1997年に初めてきたときは、ひと月、毎日カメラを持って、疲れを知らず1区中の路地と言う路地を歩き回ったものだ。
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26日は聖シュテファンの祝日。朝7時半のシュテファンの御ミサを与り、アウグスチーナー教会に行くと11時から本格的なミサがあるというので、
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オーバーラーでメランシェを飲みながら待つ。素晴らしいアウグスチーナーの御ミサ(ミサのはしご、というのはあまりやったことがない)のあとで
オーバーラーで昼飯。鱒のグリル(ムニエル)。ワインはウィーンのワイナリーChristのゲミッシャーザッツ。飲みやすくて、うまい。

夜は国立歌劇場でフランツ・ウェルザー=メスト指揮のフィデリオ。
ウィーン風の演出で、大臣到着のあとの場面転換で、レオノーレ序曲第3番を演奏する。
極めてオーソドックな音楽だったけれど、やはりというか、オケのうまさを堪能した。
ミスもある演奏だったけれど、その慣れ、とか練れ、とか、こうやったいいんだ、というアイデアとも違う、「習慣」が素晴らしい。
これはちょっと伝えるのが難しい、うまい!というとも違う。
例えば、これはベルリンなどでは時に感じるのだけれど、日本でもたまに感じるのだけれど、
そのあまりのうまさというか、音楽的な「アイデア」に正直辟易するときがあるのだ。
本当に正直にいうと、そのあまりのうまさが小っ恥ずかしいのだ。
そういうときに、こう思う。「ウィーンだったら、絶対にこんなことはやらない」。
本当に、自然なのだ。余計なことがない。
なにもしていないように見えて、とっても自然で、素敵で、流れている。そういう音楽をやるのだ、ウィーンのひとたちは。

フィデリオのなかでも、メロディーのなかで楽器の組み合わせが刻々と移ろっていくような場面がたくさんあるけれど、
その移り変わりが全く気にならない、わからないほどの滑らかさ、自然さで変わっていく。
バランスなどにも全く段差がない。こういう大人なテクニックというのはただうまい、というだけではない、受け継がれていくセンスがあるのだと思う。こころから堪能しました。

ただ、フィデリオの話自体は、僕はあまり好まない。ベートーヴェンが好きそうな話だけれど。
もっと軟派な話のほうが好きだな。フィデリオは猛女列伝ですよね。なよなよした女性も好きではないけれど・・・。
ずっと男の振りがバレないってのもすごい。

フルートはワルター・アウワーさん、以前、彼のフルートアルバムの解説も書かせてもらっていて、注目している若手。
昔はもっとオレがオレがしているようなパワフルな印象だったのに、今回聴かせて頂いて、全然違う印象だった。
不思議に、出所のわからないような(これはシュルツさんの時と一緒)、本当によく溶ける音。
金の音だ。これはキラキラしている、という意味ではない、寧ろ僕は逆のイメージ。
金は温かく、優しい音。ゴーゴーした金の音は、嫌いだ。
これがウィーンの音なのだ。そう、Edel(高貴)。
そして、本当に!オペラ座はエレガント!
オペラはオーケストラや室内楽以上に、会場の雰囲気、お客様の雰囲気全体で感じるもの、という思いが強いので、せっかく見るなら本場で、と思ってしまう。
今回は初めて、パルケット(オーケストラピットのすぐ前の平土間)で見ることができて、本当に贅沢ないい時間だった。
帰り道のケルントナー通りをゆっくりあるくのが楽しかった。夢をみさせてもらったようだ。
お酒を飲んでもいないのに、フワフワな歩き心地。この年になっても(もっと年をとっても)、人間は生きていたらこんな感動ができるんだ、と思って、楽しかった。

翌日は、街のお休みもあけて(そう!旅行に行く人は気をつけてください。ウィーンは24日、25日、26日はかなりの商店はお休みです。食べるところも少ない)、
お土産や、うちの必需品の補充の一日。
まず珈琲はナッシュマルクトの側のAlt Wienで。初めてBIOのものを試す。うちでも挽けるけど、ここではだいたい粉に挽いてもらう。
いつもいる店主のオジサンは、どうやって飲むのかを色々聴いてくるのだけれど、ペーパードリップで、というとものすごく細かく挽いたのをすすめてくる。
これは他ののドイツ語圏でもそうなのだけれど、こちらから見ると細かすぎるように思う。そこで僕は「目盛りは6にして」とお願いするのだけれど、
そうするとあからさまにいやそうなのだブツブツ「荒すぎる」とかつぶやきながらやるのだけれど、今回はおじさんいないので、
「目盛り6で」というと「あっそ」とやってくれる。
ここの珈琲は本当に美味しい。大好きな、濃く強く香り高いタイプ。

さて、そのまま隣の角、私の靴屋さん、MAFTEIへ。
凄腕職人の息子さんルシアンさんと奥さんが待っていてくれた。オヤジは今日お休みなんだ。と。
普段はルシアンさんは御自分の支店をポストガッセに持っていて、このキューンプラッツにはいないのだけれど、ヘルプだろうか。
このルシアンさんはあちこちで修行していて(ロンドンでも。確かロブ・ロンドンで、とオヤジさん言っていたような)、完璧な英国英語を話す、
素晴らしいセンスの職人さん。「真のウィーン人30人」という本でも取り上げられた人。
このルシアンさんと、奥さんとの1時間ほどの交流の濃さといったら!!
まず入るなり「アルニスですね!素晴らしい・・・。靴の茶色とあっています(今回はチャーチのぽってりしたチョコ色のライダーを履いていた)」
「アルニスが無くなったのはご存知ですか、とても残念だ」なんだなんだ情報通か・・・。
そして、靴を受け取り、次の注文を時間の楽しいこと、楽しいこと!
どんな服地には、この革、この色にはこの色、いや、春の風のなかを歩くにはこの革がぴったりです。
あなたは今日のようなカシミアの(よく見ただけでわかるな)セーターはよく着ますか?ならこの色で・・・。
ガルーシャは、「あなたには似合いません」とも(これはこれでうれしかったな、僕も嫌いなので)。
象革はものすごくリコメンドされました。
地球の一部の気持ちになれる靴。とも。
次次回はこれでいくかも知れませんが、今回は明るいアンティークフィニッシュ(「私が自分でパティーヌします」と)の茶色による、
センターシーム(「オリジナルは父も働いていたルドルフ・シェアですが、うちのいちの得意モデルです」と)、アルニスと共に旅に履いていく靴、
というコンセプトで、ハーフラバーソールにしました。
あとは象革のベルト。

楽しみで、楽しみで。

それにして、ウィーンでこんな英語で喋ると思わなったので、冷や汗が出たよ。もっと英語も勉強しないと。
そして、なんと、ルシアンさんの奥さんはウィーンのアカデミーで勉強した歌手でした!!
音楽の話で盛り上がりました。素敵な方でした。うれしい!
私、靴のことはなんにもわからないの、と。

マフテイ、ルーマニアに工房をできて、ニューヨークでオーダー会が成功して、次はパリでやりたいとも。
いまからパリのテーラーで受け取ってくるんだ、といったら目を輝かせて「チフォネッリ?カンプス・ルカ?」と。
本当に詳しいですね、ルシアンさん、スマルトでヘッドカッターをやっていた若い日本人だよ、というと、噂には聴いたことがあるようでした。
その彼にも我々の靴を見せてきてください。と。

今回の完成品、素晴らしい出来だった。過去最高かも。
オヤジさんがドヤ顔で「世界で私しかできない」と豪語する美しいノルヴェージャン製法のモデル・アレクサンドル。
ジョンロブ・ロンドンも、ノルヴィージャンの依頼は全部親方に頼むようです。以前オーダーシートや木型を見せてもらいました(ブログには写真、載せるなよと言われて)。

ステッチも本当に美しいです。そして意外に返りがいい。
以前はくるぶし周りが硬くて、いつもトンカチでドンドンしてもらってから履くのですが、それも必要なかった。
オヤジさん、乗りに乗ってます。
それでも、実に実に、グットプライスです。
絶対に、日本の靴好きにもおすすめしたい。
最初はオヤジさんの自分の名前をつけている外バネのモデル、アレクサンドルを勧めたいな。
エレガントでほかにも合わせやすい、いいデザインです。

満足して、ほかの小物お土産、例えばパプリカの粉とか、オーバーラーのチョコレートとか、ワインとかを買って帰る。
今回はHuberのオーソドックスなグリュナーフェルトリーナーを1本。

夜は、高校からの長い付き合いの後輩と初プラフッタ。
こちらで結婚して、素晴らしい仕事についてがんばっている尊敬する後輩に予約してもらって、ウィーン料理の最高峰へ乗り込みました。
本当においしかった!そして、量がすごかった!サービスも洗練されて美しかった。
ターフェルシュピッツの概念が変わるうまさでした。
肩肉のところなんて、とろけるうまさでした。
ああ、また食いたいな。

これがウィーン最後の夜。
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# by francesco-leica | 2014-01-08 23:08 | ウィーン滞在記 | Comments(0)