最近、売られているフルートの左手親指のセッティングが気になっている。
キーがでかすぎる、位置が下過ぎる、取り付けの角度も気になる。 アメリカの楽器でも、パウエルなんて好きなメーカーだけれど、昔の楽器のほうが持ち易かった。 特に最近の安物の、おそらくチャイナ産パウエルもどきは酷い。親指だけでなくて、もともと好きなメーカーだけに、あの安っぽさは許せない。 まあ、親指の話に戻ると、もともと日本の楽器は割と親指の作りは良くなかった。 ドイツの楽器の影響なのか、ベタ~ッと親指を「押し付けて」あるいは完全に「乗せて」あやつるスタイル。 まあ、日本人の手が向こうの人の手より小さめとしても、厚ぼったく、あたる面積が広かったりすると、なぜ?と不思議だった。 フルートは左の親指で持つものでは、ありません。 もちろん右の親指は完全に楽器の重さを乗せて、持ちます。 しかし、左の親指は、フリーの状態にしておかないといけない。 楽器を構えて演奏している時間の大半は、左の親指のキーは閉じられていることが多い、しかし、 だからといって、楽器の重量が左親指にかかる状態を許しては、たまに、でも確実に来る親指を離す瞬間に楽器のセットがぶれることになる。 左手においては、人差し指の付け根、ここだけにテンションをかけて、親指が離れて完全に浮いた状態でも楽器をキープできないといけない。 そうしないと、つまり、親指で楽器の重さを持つような要素があると、親指で動きのスムーズさや響きそのものをブロックしてしまうし、親指が離れる度に楽器が意図せず動くというのは大問題だ。第一、速く動かせないじゃないか。 親指で持たないと楽器が内側に廻ってしまう、という人がいる。 そうならない為に頭を使って、楽器の構え方を研究するべきだ。これは実に簡単なことなのだけれど。 ロットの親指や、昔のアメリカの楽器の親指の位置は、それができるところにあったのだけれど、 たぶん、それだと「持ちにくいじゃないか」という意見があったのだと思う。 笑止。左の親指は楽器を持つものじゃなくて、キーを軽く押さえたり離したりするだけのものだ。 最近の厚ぼったくて、平べったい親指のキーだと、動きがゴワゴワするし、ブリチャルディキーといつものBキーとの往復に洗練を欠く。本来、見えるか見えないかくらい親指を傾けるだけでブリチャルディをON,OFFできないといけないのに、最近の楽器は親指をグイ、とずらす感じで操作するみたいで動きに無駄が多いと思う。 という話をアキヤマフルートでしてきました。 ほんの数ミリくらい、傾きでいえば数度の話だそうですが、人間の感覚って繊細だよね。
by francesco-leica
| 2012-09-24 23:52
| コラム
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