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リハの後、久しぶりに長浜ラーメン「ぼたん」を食べた。

向田邦子 思い出トランプ 新潮文庫

読了。

珠玉の短編集。感心とともに、やはり違和感、つまり身を任せられない感じ、他人事の感じがつきまとう。満足しない理由は、まず第一に読後感が幸せでないから。その理由は、登場人物のなかで共感出来る人、自己同一視出来る人、身近にいそうな人が、見事に一人もいないからだ。
この短編の登場人物は、どこかに影や闇を抱えている。後ろめたい過去や、秘密を抱えている。
夢や希望が語られること一度もない。
彼らのように、彼らのような人生には決してなるまい、という思いのほうが強い。

後記:
登場人物はみな生活に追われ、「より良く生きる」という人として根源的な(宗教的ともいえる)義務を感じていないことが、身を任せられない大きな理由ではないかと今気づいた。ここまで刹那的に生きる人はいないと思うのだが・・・。

さらに後記:
「あ、うん」を読み出した。ほぼ、熱中して読み進めている。いままでの向田感と違う世界。テレビドラマ的というか。キャラクターとストーリー展開で進む王道小説?

〜〜〜
この気持ちがわかるようになるには、まだ自分の人生は夢や希望に溢れすぎているのだろうか。
そう、そしてBGMが流れて来ない。水羊羹に素晴らしいBGMを指定している向田さんなのに。

でも諦めずに、向田さん、読み続けます。
心理描写、生活のひとこま、気付き、素晴らしい。

リハの後、久しぶりに長浜ラーメン「ぼたん」を食べた。_b0107403_2332510.jpg


いま、小倉昌男「経営学」を読んでいる。宅急便を作った男。ものすごく!面白い。
今週の週間ダイヤモンド「JR VS 私鉄」これも面白かった。小特集のNTTドコモの経営についてのページもおもしろかった。お薦め。ドコモは自分も10年来使っているので、期待して、その度に裏切られ、「iPhoneは出ん」とのうのうと社長が言って退けた日の翌日にホールドしていた株も売り払い(それは大正解だったが)、新しいコンテンツにも新機種にも何の興味もなく、半ば終わった会社くらいの認識だったが、毎年1兆円のキャッシュが入ってくるってのはやはり、すごい。でも、はっきり言って、経営者の能力としては、ソフトバンクの遥か後塵を排しているという気がしてならない。まだまだ日本の携帯電話料金は高い。これが海外並みになったとき、いまの株価を維持できるのだろうか。

写真はこれから読みたいもの山積み。いい本をたくさん教えて頂いた。
私は、人がいい、というもの、心を込めて薦めてくださるものは、必ず試します。
by francesco-leica | 2012-08-01 23:14 | 読んだ本


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