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知るかなしみ

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ウィーンにいる時だけ飲むものがあります。
ホルンダーソーダです。
ニワトコのシロップのソーダ割。ニワトコ(接骨木)ってなんだ??
仄かな香り、上品な甘み、レモンの酸味とソーダのプチプチが心地よい。

よく大好きな、いつものカフェでこれを頼んで、本を読みます。
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パティシエ・イナムラショウゾウの「さくらんぼのタルト」です。
一年に一回(できれば2回でも3回でも)これを食べること。
これは私ににとって、生きる意味の一部なくらい重要なことです。

気が狂いそうに美味しいです。

本当にシーズンは一瞬で終わってしまいます。
食べたい人はぜひ電話予約して、上野桜木までお越し下さい。

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人生に最も大切なことの一つは「知るかなしみ」だと思います。

私の好きな編集者の島地勝彦さんから学んだ言葉です。この言葉を彼は文豪開高健から学んだと言っています。

島地さん曰く、

~別に知らなくても生きてはいける。でも知ってしまえば、それなしの人生など耐え難くなる。
つまり知識や経験は人生に悲しみももたらす。~それでも、知らない平穏よりも知る悲しみのある人生の方が高級だ〜。

35年生きてきて、色々素晴らしい目にあって、素晴らしい悲しみにであって、本当によかったと思います。おいしいものを食べて、おいしい酒を呑んで、素晴らしい景色を眺めて、最高の友人たちに出会って、もちろん女性からも、さまざまな事を学びました。ああ、かなしい、あれを知らなければ、これでも満足できたろうに・・・あれを知ってしまうと、もう他は全て味気ない・・・(大体こういうのは食べ物か飲み物ですが・・・笑)。


最近、自分より若い人達を教えたり、関わったりしていて、おいしいものを知らず、うまい酒をも呑まず、旅も行かず、音楽も聞かず、本も読まず、きっと頭のオカシイ傑作な友人を持たず、恋もしないような、まあ、なんのために生きているのかさっぱりわからないような人にも出会います。これは困ったことだ、といいながら、これからも私は知るかなしみに出会い続けるのかと思うと、楽しみでしかたありません。


明日から、国際コンクールの審査員しに香港に行ってきます。
いつもの高校からの悪友に拉致されてきます。
行った日くらいはノンビリ出来そうなので、ホテルでアフタヌーンティーして、プールでだらだらしてきます。ただ週末には東京で仕事があるので、超特急旅行です。
香港、好きになる気がします。これまた「知るかなしみ」です。


第1回日本香港国際音楽コンクール
http://JHKIMC.exblog.jp/i2/
by francesco-leica | 2012-07-03 23:49 | 日記


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