よく曲目解説を書かせていただく上で、プログラムを制作する方に、声を大にして訴えたいことがあるのですが、
ケッヘル(モーツァルトの作品番号)、ドイチュ(シューベルトの作品番号)に、 .(ピリオド)をつけないで欲しいのです。 K. 301 とか D. 667 とか。 これは決して「間違い」という訳ではないのですが、「勘違い」とは言えるかな。 特にK.に関してはアメリカの研究者などは今でも使うことが多く、日本のCDなどでもこう書かれることもあります・・・。 このことを、わたしは10年以上前に修士論文を書き始めて、論文執筆担当教官の土田教授の指導を初めて受けたときに、強く言われました。 .(ピリオド)が付くのは省略、という記号ですが、決してケッヘルとドイチュは「略語」ではないのです。 国際的に認知された、モーツァルトの作品番号、シューベルトの作品番号です。 さすがにドイツの研究者で、この勘違いをおかしている人は滅多にいません。 例えば、バッハの作品番号を B.W.V.と書く人はいないでしょう。 これはBWVが略語ではなくて、記号であるとみんな了解しているからだと思いますが、 KもDも一緒です。 ケッヘルと、ドイチュも略語ではありませんので、ピリオドは必要ありません。 モーツァルトの研究をしている人間として、これは声を大にして言いたいことです。 ちなみにドイツの研究者はKVと書くことが多く、わたしもKVと書くようにしています。
by francesco-leica
| 2011-09-05 23:41
| コラム
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