2007年にヤフーブログに投稿したものを再録。
残念ながら手に入れにくくなってしまったベルンハルト・レッツェル博士著、クーネマン出版の名著「ジェントルマン」。 まさにドイツ人の書いた本です。 理路整然として記述は正確、紳士の装いのあらゆる要素をくまなく解説しています。 随分とこれで勉強しました。 亡くなられた落合先生も述べておられますが、お洒落はある意味、学習です。 ルールを知り、守り、個性を出す。その第一歩として、これほど相応しい本は無いでしょう。 ビスポークスーツの項に出てくるのが、さすがというべきか、有田さんも働かれたギーブス&ホークス、うれしいです。 また全体的な視点として 全ての紳士の装いの基本は英国にある、という考え方にたちながら(私もそう思います) それをイギリス人が身内のこととして述べているのではなく、 あくまで外国人からみた分析であるのが、同じ外国人である我々からも共感を持てます。 イタリアのファッションや、アメリカのクラシックなファッションも素晴しい。 特にアメリカの20年代、30年代などは実にエレガントです。 でもやはりその源流は英国スタイルにあり 源流である英国への憧憬がどちらの国のスタイルにも見え隠れしているがわかります。 落合先生も、土着的スタイルがすぎると普遍的な装いにはなり得ないということを述べておられますが、日本人としても、基本的には、英国スタイルをもとにしたアレンジ、あるいはもう英国そのものを先ず目指す、これしか路は無いように思います。 誤解を恐れずにいえば、やはり我々には洋服は根本的に身に付かない服だ。 和服はぴったりよね。 がんばったって、洋服、どうせ似合わないのよ。 色々いじったところで、粋がったところでやっぱり欧米人のようにはいかない、当然だけど。 だったらもう本流で行くしか無い、当たり前の服を当たり前に着る。 ロンドン行って仕立ててもらえ、というのは伊丹十三さんの御意見(それでも似合わないことにはかわりないのだ、とも)。 それはまあ言い過ぎにしてもね、 基本を押さえて、遊ぶ、ってのがいいんじゃないですか、さらりと。 アットリーニも、カラチェニ(どちらもイタリア最高のテーラー)も、 ザヴィルロウ(ロンドンの仕立て屋街)への尊敬、そこで作られるスーツへの尊敬を公言しています。 兎に角、 このレッツェル博士の「ジェントルマン」オススメです。 僕はこの本(日本語版)をどのように手に入れたか ふっふっふ意外なところです ニューオータニのダビドフブティック・・・ いつものように同じ階のランドリーサービスに洗濯物を取りにいって、帰りにふとみると ディスプレイされていて(あれ、この本はもう絶版のはず、ラッキー) 聞くと3冊もあった 全部買いました(最後の一冊はディスプレイ用で大分安くしてくれた) で、2冊は友人にプレゼント それでおしまい 英語版はまだ入手できます テイラー&カッターにいくとズラリとならんでいます 実費で購入可能 必携の書です 写真が豊富で見ているだけでも楽しいです
by francesco-leica
| 2010-10-22 01:26
| 服飾雑記・服、小物
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