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ウィーン2日目

慣れているホテルというのは本当になによりも快適なものだ
常宿というものは、友人や音楽と共に、人生に必要不可欠なものだと思う

今泊まっている401号室は過去になんどもなんども使っている部屋だ
常宿の常部屋(?)という理想的なところにこのホテルは来ているといえる
窓からの景色も、聴こえてくる街の音、シュテファン教会の鐘の音も、全部おなじみ
本当にうれしい、ここでの幸せな時間だ

朝食のあと、とにかく先ずシュテファンへお参りする
まだ人も少ない
お灯明を、今、家族が重い病と戦っているある家族のためにお捧げする

その後、お散歩タイム
市立公園(ここくると、いつも寅さん思い出すのよね笑)
その後、セッセシオンへ初めて行く
クリムトのベートーヴェンレリーフをみて感動
本当にすばらしい
一度みんなに見て欲しい

前回、素晴らしいコーヒー屋さんを見つけたので、そこでまた仕入れる

1区をいろいろ歩き回り、ちょっと買い物をしたりする

特になにもする予定のない旅行、という理想的な姿

昼食はホテルの並びにある、歩いて40秒の名店「Immervoll」だ
本当にImmervoll(いつでも満席)だが、ちょっと時間をずらすと滑り込める
わりとしっかり食べたかったので豚肉のシュニッツェルにポテトの付け合わせ、ビールを頼む
本当にここは外れがない
ビールもウィーンで飲むものの中では一番おいしいように感じる
食べていると、うちのホテルのレセプションのおじさんも食べにきた
常連さんのようだ

ホテルに帰ってから同僚のお兄さんに「インマーフォルで食べてたらあなたの同僚がきたよ」と
伝えると「あそこは完璧だからね」とのお答え
やはりいいのだおいしいのだ

部屋にもどり少しPCを開き仕事をする
妙にはかどる
集中しているし、誘惑がないし、それだけができるのは強い

夕方、川端康成を持って一番好きなカフェ、ホテルから30秒のオーバーラーへ
ここの代表選手と言ってよいだろう「オーバーラークアバートトルテ」とメランシェを頼む
しっとりして、少し重くて、でも甘さが抑えめで、本当に!おいしい!
こちらの食べ物のおいしさは思い詰めたおいしさでないところが好きだ
(もちろん、あたまのおかしいようなおいしさだって、実に実に好きなのだが)
本場の鷹揚さが「大人」で好きなのだ

川端は「伊豆の踊子」を読んでいる
下田を始め、伊豆には本当に深くなって、読む地名すべてわかるのが嬉しい
下田の町や港も目に浮かぶ

別れのあとで
〜泣いているのを見られても平気だった。私は何も考えていなかった。ただ清々しい満足の中に静かに眠っているようだった。

〜私はどんなに親切にされても、それを大変自然に受け入れられるような美しい空虚な気持ちだった。

という一文が妙に心に残り、素敵に思った
相変わらず本当に美しい、心に染み通るような文体で、これをウィーンで読んでよかったと思う

いつもは「掌の小説」を持ち歩くのだ

ゆっくりしていると
近くの親子、かなり小さいかわいい男の子とママの会話が聴こえる
子どもが「Du~」と呼びかけている
ああ、親子の間もDuなんだ、と知っていたけれど、納得した

若い人同士や、親しい友人、恋人、家族はDuで呼び合う
上下関係で上の人、まだ親しくないひと、敬意を払う時はSieを使う

その時に「はっ」と思い出した事がある
バッハのなにかのコラールをみんなで練習していたときに「~Du~」という呼びかけがあったのだ
その時に小林先生が
「我々には『Duと呼びかけてもいい神様』がいるという、安心感、うれしさを感じて」
とおっしゃったのだ
ああそうか、神様もDuなんだ

きっとこの赤ん坊とお母さんのように
我々は神様にDuと呼びかけるのだな、と思い
その時の小林先生の穏やかな表情を思い出しながら胸が熱くなった


そのあと、アリバイ?作りに一応、王道の観光スポット市庁舎のクリスマス市に少し出向く
驚いたのが、2番の市電が路線変更して市庁舎の手前で左折した事!!おいおい!!

すぐに降りて少し戻る、それにしても2番を路線変更って、山手線が一周をやめたような衝撃だ

相変わらずすごい人、でもまだ早いせいか、歩けるのでよい
プンシュを飲み、歩き、写真を撮る
一人でブラブラしているだけでも楽しいものだ

大抵は家族や友人、カップルで歩いている人が多い

その後、U3でちょっと郊外へ
こちらでご結婚されている後輩ご夫妻にお招き頂き
素晴らしいレストランへ
これが、それはそれは素晴らしかった
行き届いたサービス
広々した店内
素晴らしいワインに、もちろん料理は最上級といってよかった
郊外なのにすごい人気で、本当は昨夜が第一希望だったのだが予約が取れなかったそうだ
確かに全て予約の札が付き、すぐに満席になった

この季節のスペシャリテーツのアヒルさんのグリルを頂く
ジャガイモのお団子と辛めのザウアークラウトが付く
うまい

かりっとして、ジューシー、
旦那のマルティンが「これはよほどいい農家と契約しているに違いない」と教えてくれる
デザートも秀逸
かなりお腹いっぱいで動けないほど・・・
ホテルの近くまで車で送ってもらう
大感謝

さて、今起きたところだ
ゆるめの時差ボケという感じで
こちらの感覚で早起き
日本でいえば超寝坊
のタイミングだ
(よくないな笑、帰国後が心配)

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コーヒーを目の前でローストしています

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インマーフォルのシュニッツェル

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オーバーラークアバートトルテ

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市庁舎のクリスマス市

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帰り道、ホテルまであと30秒
by francesco-leica | 2009-11-21 15:51 | ウィーン滞在記


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