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葉山

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葉山ってのは
あまり行くのが便利なところではないけれど
おそらく、そのおかげで
昔の風情が守られている部分がおおいのではないかしら

わたしが滞在していたのは、御用邸よりもっと北の逗子より
森戸、というところだったけれど
静かな海に、静かな暮らし、緑、そしてスターバックスも!
あるいいところだった

写真の上は
新逗子からすぐ、逗子文化プラザの斜め前にある
お蕎麦さん「御清水庵あん彦」の天ぷら塩おろしそば
福井系のお蕎麦屋さん、前回ここにきたときにおいしかったので
もう一度寄ってみた

蕎麦、すきだなあ
とにかくおいしいものを食べるためなら多少どころか
けっこう寄り道もします
家で食べて飲むのが一番リラックスして好きなんだけどね

葉山のセミナーハウスで
日本、中国、韓国の若い人達と合宿
アシスタント先生兼、いろいろお世話係見習い、みたいなのが、わたしだ

若い人はみんな熱心だ
これから、どんどん伸びてくる、そんな予感を覚えた

なかでも韓国の若手たちのエレガントで、たまらなく優しい音
おそらく彼らの先生の影響だと思うけれど
日本では聴かない、素敵な演奏だった

みんなと結構仲良くなれて、うれしい数日間だった

金曜、仕事が早めにおわって部屋に戻ると
コンピューターネットにつながらないし
ぽかりと、「なにもすることがない寝るまでの数時間」が出現した
なんという久しぶりの時間!

我々がもつ大切な財産のなかで、もっとも大切な財産のひとつ
自分自身を育て、守るための時間が必要だ

その時間を愛するブルックナーの最後の交響曲をゆっくり聴くことに費やした
朝比奈隆先生指揮の都響

なんて美しいのだろう
間違いなく、世界最高のブルックナー
わたしが生きている間に聴けてもっとも幸運だったのは
朝比奈先生のブルックナー、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、マーラー
これらを何度も耳にすることができたことだ

このブル9も、ああ、こうあって欲しい、という演奏
格調、重厚、寂しさ、懐かしさ、
これらの一体となった偉大な演奏だと思う

好きなシューリヒトやクナとは違う
なにかもっと、「曲への無条件の尊敬」を感じるところも好きだ

第3楽章の第2主題の胸が締め付けられる感じ・・・
もうたまらない

本当にすばらしい
本当にブルックナーは素晴らしい
バッハ、モーツァルトに匹敵する大天才だと思う

そして、どの作曲家より、演奏者を選ぶところが本物らしい

帰宅してから
6時の御ミサ
天からマナが振ってくる、素敵な場面だ
昔、カンタータで、アルトのレチタティーヴォで、たしか
マナが降ってくる場面をやったことがあって
ものすごく好きな部分なのだが、今、番号を忘れちまった

〜〜〜

大学の上司のホルンの先生がお貸し下さった
「Itと呼ばれた子」(児童虐待を乗り越えた体験記)を読了

ほんとうに考えさせられる、ものすごく考えさせられる本だ
人間に興味がある、教育に興味がある、子どもに興味があるなら
絶対に読むべき本だと思う

この著者は本当にすばらしい人
「うまくいかないのは、未処理の問題が残されているから」
「過去は変えられないが、未来は変えられる」

こんな気の毒な時期を過ごした人はさすがにそう多くは無いと思うが
でも、
だれでも、嫌な記憶、恥ずかしい記憶
自分が許せない失敗など、たくさんあると思う(わたしもいっぱいある)

それを乗り越えて新しい自分に出会える、鍵がたくさんある本だ
by francesco-leica | 2009-08-02 09:08 | 日記


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